人間が生きていくために必要はモノを端的に表す言葉に「衣・食・住」がある。つまり衣類は人間にとって、食べ物、住んでいる家と同じくらいに重要なモノなのである。
そう考えると、今まで大切に所持していた衣類を大量に処分するという行為は、人間としては最もつらい苦行と言えるかもしれない。裏返せばミニマリストを目指す者にとっては、それを成し遂げることがまさに本懐なのかもしれない。
難しい理屈はそれくらいにして、まずは洋服タンスに入っている夏物衣類をすべて取り出してベッドの上に並べてみることに。
Tシャツだけでも色とりどりに40着以上もあり、半袖のポロシャツも30着は優に超える。それに加えて趣味のゴルフウエアが20着以上も出てきた。はたしてこれをどこまで減らせるのだろうか?
世間のミニマリストの先輩方には、着る服を10着も持たない凄い人もいるようだが、俺流ではいきなり極端には減らせない。
何しろ俺の場合は普段着では仕事ができないし、趣味のゴルフにも最低限のウエアが必要である。それでも普段着に関しては相当な数の衣類を処分することは可能だろうと思う。
それから並べられた服を一つずつ手に取って、最近の半年以内に着たかどうかを思い出してみる。すると実は半分も袖を通していないことが判明する。何らかの理由があって保有している衣類の半分以上は着ていなかったのだ。
そこで、衣類に関しては大胆な割り切りルールで選別することにした。夏物も冬物も含めて最近1年以内に着ていないモノは、迷わずにすべて処分することにしたのだ。
「これは着てない。これも着ない」とブツブツと独り言をつぶやきながら、次々とゴミ袋に放り込んでいく。
そうは言っても買うときに価格が高かったブランド物や、何かしら思い出の服を手に取ると思わず迷いが生じて動きが止まってしまう。それでも冷静に記憶をたどると大体は最近着たことはないのである。
人は恐らく無意識のうちに着たくない服を選別しているのだろうと思えた。
実は似合わないことを知っている、小さな汚れがある、流行遅れである、形が崩れている、サイズが微妙に合っていない、他の服と合わせにくいなどなど色々な理由をつけて。
いつか使うかも? ➝ずっと使わないモノ。
いつか着るかも? ➝ずっと着ない服。
ここはミニマリズムの基本ルールに基づいて、思い切って実行しよう!
始める前に頭に描いた通りに洋服ダンスはほぼ空になり、うまく収めればすべてがこの押し入れに収納できそうになってきた。
そこで近所のホームセンターに出向き、押し入れの下段を有効に使うための収納ボックスを探すことにする。このホームセンターはアイリスオーヤマが親会社らしく、アイリスオーヤマ製の商品が豊富なのが特徴。
色々なタイプがある中でも今回俺が求めているものにピッタリと思える商品を見つけた。

今まで使用していた化粧ボックスは、上蓋付きの積み重ねるタイプなので積み重ねてしまうと中身が出せなくなる。
この商品ならば引き出しタイプなので重ねても自由に中身を出し入れすることが可能だ。しかも奥行きがあるのでタンスの下段を無駄なく有効に活用することできる。

実際に設置してみると梱包に書いてある商品説明の通り、押し入れの下段にピッタリサイズで気持ちがいい。脚のローラーは不安定で必要ないので取り付けないことにした。

結局、Tシャツは40着以上から15着くらいに、ポロシャツも半分以下の10着程度に。ズボンも半分以下の10本程度となりかなりの量が減った。はいていない靴下の数の多さに改めて驚き、古い下着やパンツなどもどんどんゴミ袋へ入れる。
ついに当初の予定通りに、タンスに入っていた衣類はすべてこのロングチェストに収納することができた。
この押し入れに冬物から夏物まで、俺の服が全部収納されていることになる。これで半年ごとに実施していた衣替え作業も必要がなくなって嬉しい。

一応、今回の整理はここまでとし、押し入れを左右半分ずつ撮影しておく。上段に納めている旅行カバンや、ゴルフ用バックなどもいくつか処分したが、まだまだモノは多いようにも見える。
いずれまた、もう一度整理する時にはもっとスッキリすることだろう。
ハンガーで掛けている夏用ジャケットやワイシャツも見た目では多いようにも見えるが、今のところは仕事着として必要最低限の数だと思っている。
仕事用のワイシャツはクリーニングに出しているので、これ以上少ないとその周期がかなり短くなって妻に負担を掛けてしまうので。
いずれは会社を退職した際には、ほぼすべてを処分することになるのだろうと思う。
今回の押し入れの整理は、予想どおりに丸1日掛かってクタクタに疲れてしまった。
でもこれで洋服ダンスを2つ処分することが可能となった。その後は妻用の木目調タンスをこの部屋に移設することもできて妻も喜ぶことだろう。
さらに妻と話し合い、洋服ダンス2つに加えてリビングにおいてある古い電子ピアノもついでに処分することに決めた。
これは子供たちが小学生のころにピアノを習っていたので購入したものだが、最近では全く使用していない。
さっそく翌日には行政に電話をして、粗大ごみ処分の予約をする。有料となるが家の前に札を貼って出しておくと回収してもらえるものだ。
これで家の中から3つの大物家具が消える予定。ただし、引き取り指定日は3週間後とのことで少し時間は掛かるようだ。